<J2:札幌0-2千葉>◇第36節◇11日◇札幌厚別

 札幌は千葉に敗れた。前半43分にFKから失点し、後半29分に2点目を献上。攻撃陣は2戦連続無得点に終わった。勝ち点は49のままで、2位松本が勝ち点70に伸ばしたため、残り6戦で抜くことができなくなり、自動昇格圏(2位以内)の可能性が消えた。

 ハーフタイム目前で、プランが崩れた。札幌のこの日の最大瞬間風速は19メートル。強風を想定しバルバリッチ監督(52)は、前半は風下に陣を取るよう指示を出した。向かい風の中、無失点で抑え、後半勝負に出るはずだったが43分、DF奈良が自陣ゴール近くでファウルを犯し、直接FKから先制を許した。

 「風下ではよりシンプルな対応をしなければいけない。DFは不用意なミスをしてはいけない」と指揮官。相手プレスを受けながらボールをつなごうとした奈良だったが、奪われ、取り返そうとした結果のファウルだった。「勝つための選択をしなければいけないのに欲を出してしまった。申し訳ない」(奈良)。勝負どころと考えていた追い風の後半、速さの内村、高さのFW丁を投入したが結局、得点は生まれなかった。

 プレーオフ圏内の6位との勝ち点差は5のままだが、痛い黒星で自動昇格は逃した。だが、クラブは既にプレーオフ狙いに目標を切り替えている。昨年は残り6試合で、同圏6位と勝ち点6差から、粘って最終節決戦まで望みをつないだ。「まだ終わりではない。下を向いている時間はない」と指揮官。逆境を糧に、巻き返す。【永野高輔】