清水は29日、次節アウェー川崎F戦(11月2日午後4時、等々力)に向けて、三保グラウンドで約2時間の調整を行った。8対8のミニゲームでは、FW大前元紀(24)が最多4得点を記録するなどキレのある動きを披露。「体はキレているし、調子は良い」と、9戦ぶりのゴールへ順調な調整ぶりを印象づけた。

 背番号「10」を背負う今季は、ここまで6得点。思い描いたシーズンとは程遠い内容に「話にならない」と厳しい表情を浮かべる。エースが結果を残せないでいると、チームも現在J2降格圏の16位に低迷。大前は「点を取っていないのが事実。決めるべき選手が決めないとチームは厳しい。点を取るのが役目。責められてもしょうがないし、今はすべてを受けとめている」と責任を口にする。

 ただ、残り4試合で13位甲府との勝ち点差はわずか2と残留争いは混戦状態だ。今までの“遅れ”を取り戻す場所はまだある。今回の会場となる等々力では05年以来勝利がないが、大前は「相性がどうこうなんて言ってる状況じゃないし、4試合終わって残留していることが大事。サポーターの期待に応えたい」と、言葉に力を込めた。その目はチームを残留に導くゴールを見据えていた。【前田和哉】