05年以来のリーグ制覇を狙うG大阪の長谷川健太監督(49)が、エースFW宇佐美貴史(22)に闘魂を注入した。明日22日の首位浦和との直接対決(埼玉ス)に向け、20日は大阪・万博練習場で調整。非公開で行われた紅白戦を中断し、2トップの宇佐美とパトリックに“カミナリ”を落とした。残り3戦で浦和と勝ち点5差。緊張感を高め、大逆転ドラマを完結させる。

 「チンタラやってんじゃねー。この野郎!」。

 報道陣もシャットアウトし、完全非公開で行われた紅白戦。長谷川監督が猛烈なカツを入れた。矛先は宇佐美とパトリックの2トップだ。優勝を懸けた大一番となる浦和戦に向け、チーム内の緊張感は一気に高まった。同監督はあえて笑みをこぼしながら明かした。

 「宇佐美ですか…。どうですかね~。(パトリックと)2人ともさっぱり。紅白戦は始めの1分で止めました。2人とも呼んで、それぞれに話をしました。『分かってるんだろうな!』。みたいな感じです」

 敗戦なら目の前で宿敵の優勝が決まる。残り3戦で浦和とは勝ち点5差。油断やミスは一切、許されない。だからこそ、指揮官は「本人は『大丈夫です』と言っていたけど、大丈夫じゃねーよ!

 決勝戦のつもりでやれという話はしました」と説明。宇佐美はリーグ6戦、パトリックも4戦不発。決して状態が上向きではないFW陣に、あえて“健太流”のカミナリを落としたようだ。

 宇佐美も戦闘モードに入った。「監督と何を話したかは、いちいち言えない」としながらも「2点取られても、3点取ればいいんでしょ」ときっぱり。完全アウェーの敵地の雰囲気さえも「ブーイングされれば、されるほど俺は燃える。組織のチームには、個の力で打開したい」。勝てば残り2戦で勝ち点2差に接近。自らの力で、劇的な大逆転Vを手繰り寄せる決意だ。得点に飢えたエースに、怖いものは何もない。【益子浩一】