汚職事件で大きな打撃を受けた国際サッカー連盟(FIFA)の新会長を決める臨時総会が、26日に行われる。立候補者は5人で、ことしに入って欧州サッカー連盟(UEFA)のインファンティノ事務局長(スイス)への支持表明が相次ぐ。アジア・サッカー連盟(AFC)のサルマン会長(バーレーン)も基盤があり、両氏によるマッチレースの様相だ。

 インファンティノ氏に対しては、UEFA(53協会)が1月22日の理事会であらためて全面的な支援を確認した。さらに南米連盟の10協会や中米連合の7協会が支持を表明。既に70票を固めたことになる。

 AFC(46協会)は昨年11月の理事会でサルマン氏を推すことを決めた。さらに関係者によると、54票を持つアフリカ連盟(CAF)もサルマン氏の支持に回る動きがあるという。AFCとCAFは1月に競技全般の協力協定を結び、ルワンダに赴いたサルマン氏は親密ぶりをアピールした。

 しかし、アジアやアフリカが一枚岩とは言い切れない。昨年5月の会長選に出馬して敗れ、今回も立候補したヨルダンのアリ王子が西アジアの一角の支持を取り付けたとされる。インファンティノ氏はアフリカの切り崩しを狙っている。

 南アフリカの実業家セシュワレイ氏と元FIFA副事務局長のシャンパーニュ氏(フランス)は苦しい立場だ。

 8年間の活動停止処分を受けたブラッター氏の後任を選ぶ選挙はFIFA加盟の209協会が1票ずつを持ち、無記名で投票する。1回目で当選するには3分の2の票を得る必要がある。最下位の候補者をふるい落としながら行う2回目以降は、過半数で当選者に決まる。