【パチューカ(メキシコ)21日=八反誠】パチューカの日本代表FW本田圭佑(31)が“チーム本田”を結成しメキシコでの成功をつかみ取る。自身の「専属分析官」と「個人アシスタント」で編成。クラブも認め、行動をともにしている。成功は準備で決まるという信念が、新天地でも早くも形となっている。

 多くのクラブに、細かいデータに基づきプレーの質や効果を解析する分析担当はいる。しかし、1人の選手が専属で起用するのは極めて異例。本田が「専属分析官」と呼ぶ白石尚久さん(41)は、バルセロナのスクールコーチやスペイン4部でコーチも務めた。スペイン語も堪能で、今年3月から行動をともにする。目標に、欧州1部の監督就任とCL優勝を掲げるなど、思考も本田に近い。

 同様に本田が「個人アシスタント」と定義するのは、JFLの佐川印刷SCでプレー経験のあるアルゼンチン人のフェリックスさん(29)。スペイン語と英語が堪能で18日の入団会見では通訳も務めた。語学の先生役に加え、現場レベルのさまざまな事柄に対応する。

 本田はJ1名古屋時代、プロ2年目でサッカーに集中するため個人マネジャーを雇った。今回も同じやり方だが、メキシコ・アスの電子版は「本田は自身のトレーナー、通訳を引き連れてやって来た」と驚きを持って伝えた。実際は2人の役割は、この報道よりさらに幅広い。“チーム本田”が成功の鍵を握る。