C大阪の日本代表MF香川真司(20)が今オフにもバルセロナとRマドリードの名門両クラブの入団テストを受けることが12日、濃厚となった。以前からスペインリーグへのあこがれを持つ香川は昨オフ、クラブが海外挑戦を全面的に支援する条項を入れてC大阪と契約。欧州に太いパイプを持つC大阪側も、移籍実現を前提にした練習参加を後押しすることについて、本格的に検討に入った。

 スペインリーグ移籍を熱望する香川が2大ビッグクラブ入りへ挑戦する。関係者がこの日、「C大阪は欧州の各クラブに強い代理人と契約しており、香川をRマドリードやバルセロナの練習に参加させることを検討している」と明かした。

 香川は昨オフ、J1昇格を逃したC大阪残留を決断した。その際、海外のクラブからオファーを受けた場合にはC大阪が移籍を支援する、という条項を入れて契約した。常々「(スペインリーグの)攻撃的なスタイルが好き」と話しており、「いつか欧州CLに出場したい」とビッグクラブでのプレーが夢だ。

 C大阪は欧州に太いパイプを持ち、06年にはFW柿谷をアーセナル、インテル、そして08年にはRマドリードの練習に参加させた実績がある。今年1月にC大阪関係者がスペインへ渡り、同リーグの現状を調査し、Rマドリード、Aマドリード、エスパニョールの関係者と接触した。そして、香川が最もあこがれを抱くバルセロナもC大阪と下部組織同士の交流もあり、移籍先の候補の1つとして浮上したという。

 C大阪は現在J2で2位と、4季ぶりのJ1昇格に向けて順調な戦いを演じている。来季J1なら香川は必要な戦力となるが、C大阪の藤田信良社長(58)は「レンタルなら香川の海外移籍を認める」と公言。「海外からオファーがきた時には夢を実現させてあげたい」と海外移籍に限り全面支援を約束している。香川にとって最大の夢、W杯も待つ2010年。大きな飛躍の年になるかどうか注目だ。

 [2009年5月13日7時59分

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