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俊輔引退の花道をセルティックが用意する

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照れながらランニングする中村(左から3人目)(撮影・PNP)
照れながらランニングする中村(左から3人目)(撮影・PNP)

 エスパニョールMF中村俊輔(31)が昨季まで在籍したセルティックから、引退直前半年間のチーム復帰要請を受けていることが、27日に分かった。セルティック関係者によると、セルティックは6月に中村サイドからエスパニョール移籍決定の報告を受けた際に、将来の再獲得の意向を伝えたという。欧州チャンピオンズリーグ2年連続決勝トーナメント進出や、リーグ3連覇の功労者に対して、異例の要請で最大限の敬意を示した形だ。

 創立120周年という世界屈指の歴史を誇る名門が、サッカー発展途上国に生まれた日本人に、最大限の敬意をみせていた。セルティックは今年6月に契約が切れる中村に対し、税別年俸3億円、1年ごとの契約更新は本人の希望で自由という、破格の条件提示で引き留めにかかった。ラブコールは実らず、6月初旬にはロベルト佃代理人から、ローウェルCEOに断りの連絡が入った。

 それでも、セルティック側の中村に対する愛情は変わらなかった。中村の契約延長を断念する代わりに「せめて現役引退をセルティックパークで迎えてほしい」と異例の申し出を行っていた。クラブ関係者によれば、ローウェルCEOら幹部は以前から、中村本人が現役引退を決意した後の最後の半年間だけ、セルティックに復帰するというプランを温めていたという。

 クラブは05年にも、幼少時からセルティックのサポーターと公言していた、元マンチェスターUのMFロイ・キーンを、キャリア最後の1年間だけ獲得。引退の花道を準備したことがある。04年まで7季在籍し、リーグ戦通算175得点を挙げたスウェーデン代表FWラーションに対しても、中村と同様の再獲得オファーの可能性があるという。

 そんな伝説の選手たちと肩を並べるような驚きの申し出だが、中村の功績を高く評価する地元メディアは驚かない。セルティック取材歴30年超のロニー記者(スコットランド紙イブニングタイムス)は「長年の取材で多くの外国人選手を見てきたが、中村とラーションだけは特別。セルティックサポーターは、たとえ30年たっても、中村のことだけは忘れない」と言い切った。

 中村は「選手としてこんなに名誉なことはない」と話した。エスパニョールでも、初実戦となった25日の練習試合ペララダ戦で、アシストなどの大活躍。試合後にはピッチになだれ込んだサポーターに取り囲まれた。アシストを受け、得点したMFイバン・アロンソも「中村に対しての熱狂は驚きではない。偉大な選手だと分かっていたから」と認める。輝かしい実績もさることながら、欧州で愛される存在となることは、何物にも替え難い「勲章」かもしれない。

 [2009年7月28日7時27分 紙面から]


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