W杯は初戦からOK!

 アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ監督(49)が15日、国際サッカー連盟(FIFA)の規律委員会から事情聴取を受け、サッカーに関する活動禁止2カ月、罰金2万5000スイスフラン(約220万円)と処分が決まった。W杯本大会出場を決めた10月14日ウルグアイ戦後の記者会見で「お前らマスコミはいつまでもしゃぶってろ!

 しゃぶり続けろ!」と自らの股間(こかん)を握り締め、絶叫したことが問題視されていた。

 怒りのFIFAのブラッター会長は、直後に厳罰の可能性を示唆。公の場でのわいせつ発言については、FIFAが規律規定58条で、最低でも5試合の出場停止処分と定めている。そうなれば本大会の序盤戦で、代表の指揮を執れない可能性もあった。

 世界中のマスコミやファンもそろって厳しく反応。14日の親善試合スペイン-アルゼンチン戦では、サポーターが「しゃぶってろ」発言を歌にして熱唱。報道陣はその試合後の取材エリアに巨大なチュッパチャップス(棒付きキャンディー)を搬入し「監督にぜひ渡したい」と皮肉を込めた。

 マラドーナ監督も、事態の重大さにようやく気付いたのか、規律委員会の事情聴取では、約40分間の「お説教」を神妙に聞き、わいせつ発言について素直に謝罪をした。これを受けて、FIFAも処分を軽減。3月3日のドイツ戦以降は、強化試合の指揮を執れることになった。一方でFIFAは、今後同じような行為があった場合、例を見ないほどの厳しい処分を下すことも予告。トラブルとともにサッカー人生を歩んできたマラドーナ監督だけに、今後も予断は許されない。(山本孔一通信員)

 [2009年11月17日8時50分

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