サッカーブラジル代表のエース、FWネイマール(22=バルセロナ)が、18日の親善試合で実戦復帰すると明言した。7月31日、日本の寝具メーカーとの契約などのために来日。W杯準々決勝のコロンビア戦で骨折した腰椎の順調な回復を強調し、復帰時期について初めて言及した。サントス(ブラジル)の一員としてクラブW杯に出場した11年以来の日本で、テレビ番組の出演や記者会見、イベントなど一日中笑顔を振りまいた。

 東京湾岸の風に吹かれながら、FWネイマールの笑顔がはじけた。夕方から、お台場で行われたフジテレビのイベントに登場し、約5200人の観衆を前に「8月中旬には、試合に復帰できると思うよ」と明かした。直前に出演したニュース番組では、8月18日にホームで行われる親善試合のバルセロナ-レオン(メキシコ)戦で「復帰予定だ」と明言した。

 W杯ブラジル大会準々決勝コロンビア戦(7月4日)で腰椎を骨折する大けがを負った。コルセットはまだ外せず、ボールを蹴ることも走ることも禁止されている。ステージ上でもゆっくりと腰をかばいながら椅子に座ったが、回復は順調。24日のスペインリーグ開幕に向けて、5日にチームに合流。1~2週間でコンディション調整を行い、実戦復帰に向かう予定だ。

 イベントではサッカー少年から「今季は何得点しますか?」と直球の質問。少し考えた後で「んー…何点かは分からないけど、できるだけたくさんの得点を決めたい。バルセロナとブラジル代表に貢献したい」と明るく話した。

 スターは朝から夜まで、ずっと笑顔だった。一挙手一投足にファンからは歓声と悲鳴が上がり、「みなさんに喜びを与えるのが、僕のサッカー。だから、みなさんが喜んでくれるのが1番うれしいんだ」。サイン入りのユニホームが当選した女の子が壇上に上がると、自ら進んでハグ。顔を近づけ、頬にキスまでプレゼントした。携帯電話をジーパンのポケットから出し、ファンと一緒に写真を撮るオチャメな1面も見せた。つらい思い出であろうW杯については「僕にとって早めに終わってしまった。その後は治療に専念していたよ」と明るく振り返った。

 朝、到着した羽田空港では約700人のファンにもみくちゃにされる一幕もあったが、笑みは絶やさなかった。テレビ出演、記者会見、イベント出演と終始笑顔を振りまいた日本を今日1日に離れ、バルセロナへ直行する。【保坂恭子】