パラリンピックに2度出場し、大分県由布市出身の中西麻耶(30=大分県身障陸協)が13秒9で準優勝した。

 ライバルの高桑早生に0秒31差で敗退し、悔しさを口にした。熊本地震で被災し、昨日も隣接する大分県中部で震度5強の揺れを観測するなど余震が続いている。「地元が苦しい時だからこそ、勝ちたかった。苦しさの先には幸せがあると信じたい。地元の協力があって今の私がいる。次は勝ちます」と、5メートル48のアジア記録を持つ得意の走り幅跳びでの勝利を誓った。

 パラ選手は、活動資金調達の悩みがつきまとう。資金調達のために12年に製作したセミヌードカレンダーが批判され、ロンドンパラリンピックはボロボロの精神状態で出場し、直後に引退した。しかし、競技への思いを捨てきれず、13年に復帰。中西を支えたのが、地元大分の住民や企業スポンサーとの出会いだった。「地元のために、魅力ある人間になりたい」。この時の思いが今の活力となっている。

 目標は走り幅跳びでの6メートル超えと、リオデジャネイロ大会での金メダル獲得だ。「地元の夢を私が勝利でかなえたいです」と言葉に力を込めた。

 今大会はIPC(国際パラリンピック委員会)公認で、リオ大会の代表候補推薦選手を決める大会の1つとなっている。