国際陸連は1日、ロシアの組織的なドーピングを内部告発した女子中距離のユーリア・ステパノワ選手(29)に個人資格で国際大会出場を認めると発表した。反ドーピング活動の多大な貢献を評価し、ロシア陸連の資格停止処分継続に伴って五輪や国際大会の参加資格で新たに設けた規定を初めて適用した。国旗や国歌を使用できない「中立の選手」として競技できる。

 これを受け、欧州陸連は6日にアムステルダムで開幕する欧州選手権への参加を認めると発表した。欧州陸連の旗の下、800メートル出場が予定されている。今回の決定で8月のリオデジャネイロ五輪出場の道も開けた。

 世界選手権出場経験のあるステパノワ選手は2013年にドーピング違反で2年の出場停止処分を受けた。現在、夫と共にロシア国外で生活している。

 国際陸連は6月17日の理事会でチームとしてロシアのリオ五輪参加を禁じる処分を決定。一方でロシア国外を拠点に活動し、ドーピングで潔白を証明できることを条件に個人資格での大会参加を認め、1日までに80人以上のロシア選手から申請があったことを明らかにした。女子棒高跳びの世界記録保持者、エレーナ・イシンバエワ選手も申請したとみられる。