南アフリカの高裁は26日、首都プレトリアの自宅で恋人の女性を射殺した殺人罪での有罪が確定した両脚義足の五輪ランナー、オスカー・ピストリウス被告(29)について、禁錮6年の量刑を不服とする検察側の上訴申請を棄却した。地元メディアが伝えた。

 裁判官は「上訴が成功する合理的な見通しがあると思えない」と棄却理由を述べた。検察側は禁錮6年の量刑が「驚くほど寛大」と訴えていた。

 最高裁は昨年12月、過失殺人罪で禁錮5年とした高裁判決を破棄、未必の故意があったと認定し、より量刑の重い殺人罪を適用した。殺人罪の量刑は15年以上の禁錮刑だが、高裁は今年7月の量刑判決で被告の社会復帰が見込めるなどとして刑を減軽していた。