ガス・エネルギー関連事業を展開する岩谷産業が30日、大阪市内の大阪本社で陸上部創部会見を行った。04年アテネ五輪女子マラソン金メダリスト野口みずきさんを育て、16年6月に監督に就任した広瀬永和(ひさかず)氏(51)や6人の選手が出席。4月1日より活動を開始し、初の競技会参加は関西実業団選手権(5月19~21日、ヤンマースタジアム長居)となる見込みだ。

 関西に、新たな実業団チームが誕生した。広瀬監督は昨年4月の野口さんの現役引退後「岩谷産業さんの熱意を感じた」と監督就任要請を快諾。駅伝を中心に日本を代表する中長距離選手を育成し、社会貢献を目指す同社の初代監督として「もう1度、野口のような選手を育成したい」と熱い気持ちを言葉に込めた。

 活動拠点は大阪・箕面市となり、19~20年の全日本実業団駅伝初出場、21~22年の同駅伝8位入賞、23年以降の優勝を具体的なビジョンに描く。その上で「『マラソンをやりたい』と言っている選手も多い」と“第2の野口みずき”育成にも力を注ぐ考えだ。

 初代メンバーは6選手。この3月に立命大を卒業する青木奈波(22)は「創部メンバーとして入れる。個人的にはマラソンをやりたかった。野口さんはすごく尊敬している選手で(広瀬監督には)他の監督にはない経験がある。願ったりかなったりです。学生とは違って、お金をもらって好きなことをさせてもらうので頑張ります」と笑顔で語った。昨年6月の監督就任以降、本社へスーツで出勤することが多かった指揮官も「いろいろな経験をさせてもらって感謝しています」としつつ、「ジャージーにやっと戻れる」と久々の現場指揮を待ちわびた。