<陸上:織田記念国際>◇29日◇広島広域公園陸上競技場

 男子100メートルは無名の小谷優介(21=立命館大)が10秒28で優勝した。前回世界陸上準決勝進出の塚原直貴(25・富士通)が欠場し、日本選手権2連勝中の江里口匡史(22・大阪ガス)が予選落ちするなど、本命不在となった戦いを特徴であるピッチを生かした走りで制した。「今年が勝負と思って冬に頑張ってきた成果を出すことができました。勝ったことは素直にうれしい」。ただ、世界陸上標準記録Bの10秒25にわずかに届かなかったことについては「調子が良かったのでもったいなかった」と悔しさもにじませた。全国的には無名だが関西学生界では知られた存在で、朝原宣治さんが18年前に出した10秒19の関西学生記録に関しては「去年から意識し始めました。追い越したい」と意欲を見せた。