無職ランナー改め、社長ランナーとなったロンドン五輪男子マラソン代表の藤原新(30)は9日、都内で大手子ども服メーカー「ミキハウス」とのスポンサー契約を発表した。期間は藤原の希望もあり、まずは単年契約。金額など詳細は伏せたが「miki

 HOUSE」のロゴが入った黒のランニングシャツを披露し「五輪へ柱となるサポートをいただき、プロランナーとして気持ちが引き締まります」とにやけっぱなし。さらに4社と契約する見通しで、ジャージー、ポロシャツにスポンサー企業のロゴをつけて活動する。

 五輪切符とともに取り巻く状況は激変した。3月末に自身をマネジメントする「株式会社藤原新」を設立して社長に就任。動画中継サイト「ニコニコ動画」を通じて個人スポンサーを募り、約1000万円をゲット。そこへ、数千万単位の強力な後ろ盾を得た。

 ミキハウスの木村皓一社長は「安心して競技に打ち込んでもらいたい」。多くの五輪選手を支援し続け、柔道の野村が五輪3連覇した際には、ポケットマネーで推定5000万円とも1億円とも言われるボーナスを出した豪傑社長。馬主としても知られ、走ることへの興味は人一倍だ。五輪後には子ども向けに「アラタ杯マラソン」開催など、さまざまなプランを温める。13日の仙台ハーフに出場する藤原は「お尻に火がつきました」。おいしそうな「新た」なニンジンがぶら下がり、鼻息はどこまでも荒かった。【佐藤隆志】