<全国高校バスケット選抜優勝大会>◇23日◇女子1回戦◇東京体育館

 山形商が中津北(大分)に79-69で逆転勝ちし、2年連続の4強入りへ好発進した。一時は12点差までリードを広げられたが、U-18日本代表の大沼美咲主将(3年)が第3クオーター(Q)終盤に逆転ゴール。大沼は18得点17リバウンドの活躍で初戦突破に貢献した。東北勢は、明成(宮城)は高岡第一(富山)に77-47で圧勝。盛岡白百合学園(岩手)柴田女(青森)明桜(秋田)は敗退した。

 U-18日本代表フォワード大沼が、ゴール下に君臨した。45-45で迎えた第3Q残り1分17秒、鋭い動きで相手マークを振り切ってゴールネットを揺らした。この日初めて奪ったリードに「逆転とか考えず、がむしゃらに打ちました」と大沼。第4Qにはバスケットカウントを沈めて18得点、17リバウンド、9アシストを記録。前半はミスショットを連発して反省しきりだったが、後半の活躍でJAPANの面目を保った。

 序盤は自滅ムードが漂った。シュートもパスもミスが続き、開始から5分30秒の間、1ゴールしか奪えなかった。第2Q途中には最大12点差をつけられた。それでも大沼は「相手に負けてるんじゃなく、自分たちがミスしてるだけなので焦りはなかった」。徐々に本来のリズムを取り戻し、相手の足が止まった後半にきっちり逆転。今夏の高校総体で16強に入った難敵から、後半戦だけで51得点を奪った。

 大沼は11月のU-18アジア選手権(インドネシア)に日本代表として全試合スタメン出場し、初優勝に貢献した。その分、チームとの練習時間を奪われたが「みんなが徐々に合わせてくれて違和感がなくなった」(大沼)。この日も自分にマークが集まると、外に構えるフォワード山川華奈(3年)にボールを回した。その山川がチーム最多31得点を挙げて応えた。

 今日24日の2回戦は過去準優勝2回の明星学園(東京)と戦う。大沼は「序盤から自分たちのバスケをしてメーンコートに行く」と2年連続4強を宣言した。【木下淳】