<全国高校バスケット選抜優勝大会:常葉学園70-64金沢総合>◇24日◇女子2回戦◇東京体育館

 常葉学園(静岡)は70-64で金沢総合(神奈川)に競り勝った。西野いずみ(3年)が攻守に粘り強い動きを見せれば、坂元美沙季(2年)は第1クオーター(Q)だけで3本の3点シュートを決める活躍。今夏の国体準優勝・神奈川の主力をそろえた強敵を下し、25日の3回戦で、長崎女(長崎)と対戦する。

 攻めて、守って、逃げ切った。常葉学園が試合巧者ぶりを発揮して、3年連続の8強進出に王手をかけた。序盤から全選手が、素早いボールへの集散とゴール下での粘りで、主導権を握った。坂元の3点シュートで先制して勢いに乗った。点取り屋の西野が、難しい態勢から次々にシュートを決めた。第1Qを24-12のダブルスコアで取った「貯金」を生かし、鮮やかに3回戦に駒を進めた。「今日の勝利は、選手の力です。みんな本当によく頑張った」。最高のクリスマスプレゼントを贈られた小前宏史監督(48)の声が震えた。

 国体準優勝チームの主力との対戦で、圧倒的不利を覚悟していた。今年の2回の練習試合では大差の連敗した強敵打倒のため23日の1回戦を全員で観戦。この日の朝もビデオを再生し、プレーの特徴を徹底的に研究した。「相手の方が技術も実力も上だったけれど、絶対に勝ちたかった。向こうのサインプレーは確認してありました」と殊勲の西野が胸を張った。

 今夏の総体に続く全国8強まであと1勝。「応援してくれるみなさんのためにも頑張ります」と風間緑主将(3年)。大きな壁を乗り越えた常葉学園の快進撃が始まる。【大石健司】