<全国高校バスケット選抜優勝大会:桜花学園91-72札幌山の手>◇24日◇女子2回戦◇東京体育館

 女王の壁は厚かった。札幌山の手は昨年覇者で今夏の高校総体優勝の桜花学園(愛知)に72-91で敗れた。第4Qで最大35点差を19点差にし、意地は見せたが2回戦で散った。

 43-78で始まった第4Q。札幌山の手はオールコートで守った。山田千智(3年)は「最後までやれば勝てるはず」と信じていた。選手全員同じ思いだった。すでにベンチでくつろいでいた相手主力とは対照的な表情、限界に近づく体力で点差を詰めていった。

 目標は05年同大会3位の最強世代だった。現3年生は中学卒業前から山の手の練習に参加。当時の3年生と一緒に練習し、レベルの違いを感じるとともにあこがれを抱いた。斉藤桃子主将(3年)は「超えたいという思いでやってきた」と3年間を振り返る。180センチを超える選手もいた世代から見れば足りない身長を補うために「走るバスケ」で上を目指した。この日も控室で「自分たちのできることをしよう」と貫いてきたスタイルを確認してから試合に臨んだ。

 大会前に斉藤主将が左足甲骨折で離脱、東京入り後も主力数選手が体調不良を訴えるなど万全な状態ではなく、悔しさは一層募った。栃本美紗子(3年)は「シードは残せなかったけど、展開の速いバスケは分かってほしい」と後輩に「走るバスケ」を託した。いつか決勝へ-。3年生は卒業まで練習参加し「超えたい」という思いを最強世代をじかには知らない1、2年生に引き継ぐ。【北尾洋徳】