<全国高校バスケット選抜優勝大会:桜花学園84-59山形商>◇27日◇女子準決勝◇東京体育館

 県勢女子初の決勝進出を目指した山形商が、前回優勝の桜花学園(愛知)に59-84で敗れた。同じ準決勝で負けた昨年の借りを返そうと、4試合を勝ち上がって再び挑戦権を得たが、3位決定戦に回ることになった。

 今年もメーンコートで散った。主将の大沼美咲(3年)が、同じU-18日本代表で190センチの桜花センター渡嘉敷来夢(2年)と張り合いながら両校最多の18得点。だが、1度もリードを奪えないまま終わった。大会前に桜花と練習試合を行い「高さに対する恐怖心は消えたと思ったけど結局(高さを)意識してシュートを打ち急いだ」(高橋仁監督)。大沼も「練習試合の時よりドライブは切れたのに…。もっと戦えた。悔しいです」と涙を流した。

 王者の壁は厚かったが、環境のハンディを乗り越え「山形商」の名を全国に刻んだ。平日の練習は水曜日しか体育館を使えない。スポーツ特待生の越境入学もない。それでも、山形大や山形銀行に胸と施設を借りながら、上位常連校の仲間入り。高橋監督は「2年連続4強は昨年の『初』の何倍も難しい。フロック(まぐれ)じゃないと証明できた。環境差を考えると、うちらの4強は日本一に値する」と選手を褒めた。

 28日は3位決定戦。昨年と同じ聖カタリナ女子(愛媛)が相手だ。今年は夏の総体、秋の国体とも敗れた相手だが大沼は「最後ですし、リベンジしたい思いはある」と気持ちを切り替えた。東北勢女子初の2年連続3位へ-。勝って笑顔で締めくくる。【木下淳】