<全国高校バスケット選抜優勝大会>◇28日◇女子決勝、同3位決定戦、男子準決勝◇東京体育館

 2年連続で同カードとなった女子決勝は、桜花学園(愛知)が88-74で東京成徳大高(東京)を破り、2連覇を達成した。今年4月には高校生ながら日本代表候補に選ばれた「ロンドンの星」渡嘉敷来夢(らむ=2年)が37得点、11リバウンドの活躍。1カ月前に負った左足首の疲労骨折を押しての出場ながら、190センチの長身を生かしチームを引っ張った。男子は3連覇を狙う洛南(京都)が決勝に進出した。

 勝利の瞬間、渡嘉敷は左足を引きずりながらチームメートのもとに歩み寄った。がっくりひざをつき、涙がほおを伝った。「めっちゃうれしいです」。12年ロンドン五輪の主力と期待される逸材が、チームを2連覇に導いた。

 第3クオーター(Q)終了時で63-60の接戦。だがマークする篠原が3ファウルになり「ポストプレーをしても、手を出してこないだろう」とインサイドを攻めた。第4Q開始から連続得点を決め、一気に10点差まで突き放した。

 U-18女子日本代表として、11月のアジア女子選手権に出場し、38年目での初優勝に貢献。同時に左足首の疲労骨折を負った。11月26日に全治1カ月の診断が下り「信じようにも信じられず」ショックで毎日泣き続けた。それでもチームメートの「自分がその分まで頑張るから」という言葉に勇気をもらい、2週間前に練習復帰。今大会も「チームのみんなが頑張ってくれて、プレー時間が短くて済んだ。自分は1人じゃないと思った」と感謝した。

 「大きな領域を支配する」という意味で「リョウ(領)」というニックネームで呼ばれる。「外も打てる、でかくても走れる、今までにないプレーヤーになること」が目標。日本女子バスケット界の未来を担う。【阿部健吾】