<自転車:ツール・ド・フランス>◇第11ステージ◇16日◇ブザンソン〜オヨナ◇187・5キロ

 アンドルー・タランスキー(米国=ガーミン・シャープ)がトップから32分5秒遅れの最下位179位でゴールした。

 これまでの2度の落車で14分44秒遅れの総合26位のタランスキーは、そのダメージから残り60キロ付近で自転車を降り、沿道のガードレールに腰掛けて顔をしかめ、腰をさすっていた。この様子に公式サイトとフランスのTVは「彼のレースは終わった」と一時伝えた。タランスキーは6月のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネでアルベルト・コンタドール(スペイン=ティンコフ・サクソ)を逆転して総合優勝し、今大会の優勝候補の1人となっていた。

 しかし、スタッフと話し合った結果、タランスキーは再び自転車に乗りたった1人でゴールを目指した。サングラスに隠された目からは涙があふれている様子だった。ロバート・ハンター第2監督は「彼はツールを去る時がきたと思っていたのだろう。しかし、続けることを決断した。我々はできる限り彼をサポートする」と話した。

 たった1人でゴールしたタランスキーは「フィニッシュしたかった。チームと自分をツールに導いてくれた仲間たちのために。今はやめて帰ろうとは思っていない」と話した。

 タランスキーはトップのビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)から46分49秒遅れの総合44位となった。