4大会、8年ぶりのメダルが見えた-。

 デュエット・テクニカルルーティン(TR)予選で、日本の乾友紀子(24=井村シンクロク)三井梨紗子(21=東京シンクロク)は90・3504点と、ロシア、中国に続く3位で決勝に進んだ。

 乾と三井は、序盤からスピード感あふれる演技を披露した。メダルが見える3位通過。ただ、選手、井村雅代ヘッドコーチ(64)ともども、表情は厳しい。最大のライバルで4位のウクライナとの差は、わずか0・0908点差しかない。見た目では日本の演技内容の方が上回っていた。井村ヘッドコーチも「2人は良く合っていた」と、ウクライナとの差が広がらなかったことに不満を見せた。世界選手権では07年、五輪では08年以来、メダルから遠ざかる。ジャッジは、まだ日本の復調に半信半疑なところがある。井村ヘッドコーチは「メダルをなくして(世界選手権では)8年たつ。なくした信用を取り戻すのは大変。でもそれは分かっていた」と話す。

 決勝は日本時間の23時30分から始まる。井村ヘッドコーチは「コンマ1でもウクライナを上回ったことは良いこと。日本がそこに来るとはだれも思っていなかった。でも、この差はドロー。仕切り直しです」と引き締めた。選手たちも分かっている。乾は「最後まで粘って良い演技をしたい」と言えば、三井も「油断できない。最後の最後まで勝負をして勝ちにこだわりたい」と意気込んだ。8年ぶりの世界選手権メダルは、目の前にある。