ラグビー日本代表が、ウルグアイとテストマッチを行い勝利した。プロップ渡辺隆之(21=東海大)が後半28分から途中出場し代表デビュー。今月11日から代表に本格的に合流したばかりの若武者に、W杯イングランド大会へのチャンスが巡ってきた。ウルグアイとは29日にも東京・秩父宮でテストマッチを行う。

 渡辺は30-8の場面で出場し、ボールを奪い合う密集戦で120キロの体を思いきりぶつけ、初めての海外代表チームに互角に渡り合った。FWが自慢の相手に国際レベルのスクラムも経験。「本当に固かった。体の強さも違った。大学では経験できない」。試合後も額に汗を浮かべて話した。

 過去は6月の合宿に練習生として参加しただけ。左のプロップにケガが相次ぎ、18日に急きょ招集された。試合までの練習はわずか3日間。スクラムに至っては2度マシンに体をぶつけただけ。ほぼぶっつけ本番だった。加えて本業は右プロップだ。6月の合宿でエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(55、HC)に「左右両方できるように」と言われ、東海大では左側で組む練習も重ねた。慣れないながら「まだやれる。もっとできます」と言い切った。

 6月はジョーンズHCに「可能性があるのに、もてあましている」とも指摘され、体づくりから見直した。「野菜を全く食べず、油ものも山盛り食べていた」生活を改め、現在は「好きじゃない」という野菜を食べる。揚げ物の衣も取る。「コーチにはビッグチャンスだと言われている。これを生かしたい」。突然見えたW杯への道は、誰にも譲らない。【岡崎悠利】