日本テニス協会は8日、男子国別対抗戦のデビスカップ(デ杯)世界グループ(WG)残留を懸けたコロンビアとの入れ替え戦(18~20日、コロンビア・ペレイラ)に臨む日本代表に世界ランキング4位の錦織圭(25=日清食品)ら4人を発表した。初代表の西岡良仁(19)ら若手中心の布陣。錦織は08年の代表デビュー以来初めて最年長となり、主将の役目を担い日本を引っ張ることになりそうだ。

 錦織を中心とした日本代表が、新たな船出だ。これまで日本を引っ張ってきた単複37試合出場の添田豪、20試合出場の伊藤竜馬、13試合出場の杉田祐一が外れ、代わりに初代表の西岡、2度目の代表のダニエル太郎が加わるなど、フレッシュなメンバーとなった。

 錦織は08年の代表デビュー以来、エースの座は変わらないが、選ばれた代表には常に年上がいた。代表には明確に主将というポジションはないが、植田実監督は、これまで最年長だった添田を指名し、ミーティングでの第一声を任せるなど精神的なまとめ役を担わせてきた。今回、最年長となった錦織は添田の役目を引き継ぐことが濃厚だ。

 全米オープンでは、まさかの1回戦敗退となった錦織だが、予選を突破した西岡に対戦相手の弱点をアドバイスするなど、西岡の4大大会初勝利をアシストした。最近は「早く続く若手が出て来てほしい」と話すなど後輩を気にかける言葉も多く、自らが日本を引っ張ろうという覚悟もある。

 7日にはブログで「モチベーションが下がった」と打ち明けるなど、全米敗退のショックを隠しきれない。だが、13年には全米で初戦敗退した後、日本で行われた同じ入れ替え戦のコロンビア戦で、代表として戦う喜びを味わい、気持ちが吹っ切れた。「デ杯ではいつも自分を変える転機になっている」と言う錦織が、自身の復活と新生日本のWG残留を懸けて、打倒コロンビアに挑む。

 ◆デビスカップ 国際テニス連盟(ITF)主催の男子国・地域別対抗戦。1900年に始まり、現在の世界グループ(WG)16カ国制になったのは81年。WGの下は3地域のゾーンに分かれ、各ゾーンで4部までに分かれている。3月のWG1回戦でカナダに敗れた日本は、入れ替え戦でトップ16カ国への残留をかける。