史上初の2連覇を目指すニュージーランド(世界ランキング1位)が南アフリカ(同3位)を破り、2大会連続4度目の決勝進出を果たした。7-12で折り返して迎えた後半6分のドロップゴールで2点差とし、12分のバレットのトライで逆転。南アフリカの反撃をしのぎ、雨中の激戦を制した。10月31日(日本時間11月1日未明)の決勝で、25日(同26日)の準決勝オーストラリア-アルゼンチンの勝者と対戦。W杯最多となる3度目の頂点に挑む。

 ニュージーランドが史上初の連覇に王手をかけた。流れを変えたのは4度目のW杯出場となったベテランSOカーターだった。前半は反則を連発して5点のビハインド。だが、後半6分、ゴール正面から相手の意表を突くドロップゴール(DG)を左足で決めて2点差とした。このDGでノックオンなどのミスの多かった攻撃陣に勢いが出た。同12分には途中出場のバレットが左隅に逆転のトライ。カーターは難しい位置からゴールも決めて突き放した。その後もPGで加点した。

 09年秋から約6年間、世界ランク1位を維持。07年のW杯では8強に終わったが、11年の前回大会では王座奪還した。この4年間の勝率は約9割。各国の選手らが「史上最強チーム」と認める試合巧者ぶりを大舞台で見せつけた。

 優勝候補の両チームの対戦は91度目。過去はニュージーランドが52勝35勝3分けと分が良かったものの、W杯では1勝2敗だった。終盤の南アフリカの猛攻に耐え抜き、ノートライに抑えた。8万人を超える大観衆が詰め掛けた聖地で、王者の強さを見せて逃げ切った。