13日のパナソニック対サントリーの開幕戦で起きた「空席問題」を受け、東芝の日本代表WTB広瀬俊朗(34)が、選手側とラグビー協会側の話し合いの場を求めた。秩父宮でのクボタ戦に勝利した後、「日本のラグビーをよくするために、どうやってトップリーグを盛り上げていくかを、協会任せにしないことも大事。将来を見据えて選手会のようなものをつくれればいい。お互いが一緒に話し合っていくことも必要だと思う」と語気を強めた。

 現在はラグビー発展や社会貢献活動などを目的とした全チームの主将による「キャプテン会議」はあるが、全選手が参加できる組織はない。前日に続き、完売していたパロマ瑞穂ラグビー場も満員にならなかった状況に「なんで前日のトップリーグの反省を生かせないのか…。悲しいですよ。ファンのためにも、このままじゃダメ」と、抜本的な改革に使命感を燃やした。

 W杯初の3勝も、未出場に終わった悔しさを雨中のグラウンドにぶつけた。後半12分から途中出場すると、SO森田のキックに鋭く飛びだした。転がるボールを走りながら左足でさらにインゴールに蹴ると、さらに加速。年齢を感じさせない若々しい姿で、右隅に飛び込みおさえた。「やっぱり試合に出るのはうれしいね。開幕戦のトライもやっぱり最高。お客さんの温かさも感じました」。選手も協会もファンも一緒になって盛り上げていくことが、広瀬の理想型だ。【鎌田直秀】