昨季世界選手権銅メダルの宮原知子が、首位発進した。最終滑走で登場して冒頭の3回転ルッツ-3回転トーループを成功。残り2つのジャンプも成功させて、スピン、ステップも最高のレベル4を獲得。完璧な演技で自己ベストの69・53点。「演技自体がすごくよかった。(首位で)うれしい」。ちょっぴりシャイな17歳が、親指を立てた両手を上下させて喜んだ。

 10月のスケートアメリカはジャンプでミスし「悔しかった」。練習でビデオを撮影してジャンプ直前に下を向く悪癖を修正。調子を上げて、今大会に臨んだ。

 関大高3年の17歳は食生活に気を使い始めた。7月に「作り置き」がテーマの料理本3~4冊を購入。木曜と日曜に3日分のお弁当のおかずをまとめて調理して冷凍庫に保存。毎朝、昼と夜の2食分のお弁当を練習場に持っていく。ゆでた野菜などが中心で脂肪や揚げものをさけるという。母裕子さん(46)は「食事や生活を自分でコントロールするようになった。(おかずの)余りものを私が食べるぐらいです」と笑う。

 スポーツで優秀な成績を残した受験生を対象とした関大のスポーツ・フロンティア入試に合格し、来春に進学予定だ。腰を据えて、18年平昌五輪に向かう環境も整いつつある。今日28日に優勝すれば、文句なしでGPファイナル出場が決定する。宮原は「フリーが本当の勝負」と意気込んだ。【益田一弘】