女子48キロ級で14年世界選手権優勝の近藤亜美(20=三井住友海上)が3連覇を飾り、浅見八瑠奈(27=コマツ)とのリオデジャネイロ五輪争いで1歩リードした。

 初戦から動きよく勝ち進むと、決勝では「上がってきてほしかった」という浅見との直接対決。2連覇を逃した今夏の世界選手権では、敗者復活から勝ち上がり銅メダルは確保したが、浅見はその上をいく銀メダルを獲得していた。追う立場として、7歳上のライバルに向かった。

 序盤から得意の払い腰を軸にして、積極的な攻めを見せる。中盤に進むにつれて対応され、残り36秒で指導の差1つのリードを許したが、「焦ってはいなかった」。頭にあったのは所属先の先輩である中村美里の姿。金メダルを獲得した今夏の世界選手権で、残り1秒から逆転した試合があった。「印象的だった。残り1秒まであきらめてはだめだと。時間は気にしなかった」と残り27秒から担ぎ技をフェイントに使っての大外刈り。技ありを奪うと、そのままけさ固めで抑え込んで一本勝ちした。

 「負け続けた年の締めくくりに勝てた」と勝ち名乗りを受けると畳の上で涙を流した。来春に決まる五輪代表まで、浅見との一騎打ちは続く。「一歩進んだけど、いままでが下がっていたと思う。気を緩めずに頑張りたい」と気を引き締めていた。