「臆病のススメ」だ。柔道のグランドスラム・パリ大会を終えた男子日本代表が9日、帰国した。重量級担当の鈴木桂治コーチ(35)は、原沢久喜(23)が優勝、七戸龍(27)が5位に終わった100キロ超級の戦いに、「常に怖いという思いを持って、組み手をしっかりやってほしい。臆病でいい」と要求した。

 五輪イヤーを迎え、外国勢による日本勢の研究は進む。今大会も昨年まで世界選手権2年連続2位の七戸が、攻略された。容易に組ませてもらえず、片手で強引に技を仕掛けたところを狙われた。原沢も決勝で危ない場面もあった。

 リオデジャネイロ五輪選考レースでは原沢が1歩リードする形となった。ただ、あくまでも目標は五輪での金メダル。同コーチは「2人とも五輪王者になれるという技術はもう少し必要かな」と向上を促した。