車いすバスケットボール元日本代表の根木慎志氏(51)が11日、東京・渋谷の青山学院初等部で初開催された、障がい者スポーツ体験授業「あすチャレ! スクール」に参加し、児童へ障がい者との向き合い方について指導した。

 ミニゲーム後、根木氏は参加した小学5、6年生の計256人にこう呼びかけた。「世の人たちはまだ、『障がい者=365日助けが必要な人』というイメージがある。実は、そんなことはない。社会が助け合えば、障がいはなくなると思う。みんなの考え方次第で障がい者のイメージは変わる。障がいの有無に関係なく、みんなが輝く社会にしよう」。児童は真剣な表情で聞き入った。

 根木氏は高3の時、交通事故で脊髄を損傷し、車いす生活を余儀なくされた。幼少から短距離走が得意で、走れなくなった自身が「恥ずかしかった」という。しかし、入院中に車いすバスケットに出会って気持ちが一変。ゴールするのに半年かかったが「できないことは恥ずかしくない」と、ポジティブに考えるようになり、2000年シドニーパラリンピックでは日本代表の主将を務めるまでに成長した。

 日本財団パラリンピックサポートセンターが主催する「あすチャレ! スクール」は、20年東京パラリンピックの成功と障がい者スポーツの振興を目的に開催された。本年度は100校3万人、20年までには1000校50万人の児童生徒に体験してもらうのが目標。2回目は今月下旬、鳥取県内の学校で開催予定という。