女子ダブルスで福万尚子、与猶くるみ組(再春館製薬)が、リオデジャネイロ五輪出場に王手をかけた。準決勝は、21点3ゲーム制になって以降、世界最長記録となる2時間41分をかけて、世界ランク2位のインドネシアペアを2-1で撃破。決勝は、すでに五輪出場が確実となっている高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)との日本人対決となった。男子ダブルスでは、園田啓悟、嘉村健士組(トナミ運輸)が韓国ペアにストレートで敗れた。

 この試合に負ければ福万、与猶組の五輪出場は消滅だった。第1ゲームを落とすも、第2ゲームで21-19とし、最終ゲームを24-22で奪った。世界最長の2時間41分に及ぶ激闘を制した与猶は「勝ちたいというより、負けたくなかった」。執念で競り勝った。

 5日付のランキングで決まる五輪出場枠をかけた最後の大会。現在9位で、同1位の高橋、松友組に続く日本の2枠目を取るには8位以内に入らなければならない。8位の韓国ペアを抜くには決勝で高橋、松友組を破るしか道はない。松友は困惑しながらも「変なことをするのは相手に失礼」と真っ向勝負を宣言。日本代表の朴柱奉監督も「ベストは2ペアとも五輪に行くことだが、勝負は勝負」と言い切った。

 2人の所属先・再春館製薬の本拠地は、熊本地震で被害を受けた益城町にある。29日の準々決勝後、与猶は「熊本でみんな頑張っているので私たちも負けられない」と話していた。既に五輪出場確実の高橋、松友組より上回るのは、決勝にかける思い。福万は「挑戦できるのがうれしい」と表情を引き締めた。初の五輪出場と被災地への思いを胸に、大一番に臨む。