日本代表(世界ランク11位)が、昨年のW杯イングランド大会で唯一の黒星を喫したスコットランド代表(同9位)に13-26で再び敗れた。フッカー堀江翔太(30=パナソニック)が先にトライを奪ったが、その後反則が増え、攻撃の機会を逸した。前半終了間際には2人がシンビン(一時退場)となり、守りにも乱れが出て、89年以来27年ぶりの勝利はならなかった。第2戦(25日、東京・味スタ)で雪辱を期す。

 2人の退場者を出して勝てる相手ではなかった。10-9と競りながらリードしていた前半34分、フランカーのツイがモールでの反則を繰り返したとして自陣ゴール近くでシンビンを受けた。そのまま攻め込まれ、37分にゴール前右隅でFB松田が故意のノックオン。2人目の退場となったプレーが認定トライとなり、点差が広がった。松田は「反省するプレー。一からやり直す」と悔やんだ。

 敗因は、試合前に選手が口をそろえてカギに挙げたミスの数。反則は16回にのぼった。後半26分はフランカー金が中央左からラインを破って独走態勢に入ったが、立川のパスがずれてファンブル。絶好のチャンスを逃した。終了間際にはゴール近くまで攻め立てるもSH内田がパスのタイミングを失い孤立。反則でボールを失った。持ち味の速いテンポの攻撃は効いていただけに、痛い連係ミスが続いた。堀江主将は「疲れたところであうんの呼吸になってなかった」と眉間にしわを寄せた。

 新指揮官は不在、ハメット・ヘッドコーチ代行はメンバー選考にかかわっておらず、海外組も含めサンウルブズの選手以外は「よく知らない」。首脳陣の対話不足は明らかだった。CTBサウらW杯でも活躍したBKの主力組はいまだ合流せず、時期も未定。堀江主将が試合前日に「新チームとして始まっているかどうか分からないが」と、戸惑いの言葉を漏らすのも仕方なかった。

 11日のカナダ戦の際にSO小野が「1点差でも勝つことが重要」と話したようにテストマッチで最も求められるのは勝利。6カ国対抗戦で欧州の強豪国と試合を重ねてきた相手とは状況も異なるが、それでも次戦の25日、ホームでの連敗は許されない。【岡崎悠利】

 ◆W杯日本-スコットランド戦VTR 15年9月23日の1次リーグ第2戦で対戦。日本は前半にペナルティーゴールで先制を許すも、NO8マフィのトライなどで一時は逆転。7-12と競って折り返したが、南アフリカ戦からわずか中3日の影響で後半に入って運動量が落ち、後半だけで5つのトライを許し、10-45で敗れた。