リオデジャネイロ五輪レスリング女子58キロ級で4連覇を達成した伊調馨(32=ALSOK)が20日、官邸で行われた国民栄誉賞授与式に出席し、安倍晋三首相から表彰状や記念品を受け取った。

 式典に父春行さんや、姉で五輪メダリストの千春さんらと式に臨み「本当に栄誉ある賞をいただいて、初めて国民栄誉賞を実感することができました。ヒシヒシと身の引き締まる思いです」と喜びを表現した。

 日本女性らしい着物をリクエストしていたが、記念品は京都の「西陣産」の帯だった。種類は「本袋帯」、文様は「光吉装華文」で、美しい草花のなかに瑞兆という、めでたいことが起こる前兆とされる鳥の姿もあった。「金色の部分が多いので、どんな着物と合わせていこうかワクワク、楽しみな気持ち。総理大臣からもたくさんの場所で(着物を)着てほしいと言われましたし、イベントもあるのでお披露目したい。格闘技プラス女性という異色のものを伝えたい」。女子個人種目で世界初の偉業を成し遂げた女性として、日本文化を世界に発信する役目も担った。

 1977年に創設された国民栄誉賞の受賞は24人・団体目となり、レスリングでは2012年に受賞した女子の吉田沙保里選手に続いて2人目となった。