2020年東京五輪・パラリンピックの会場計画見直しで、バレーボールは現計画の「有明アリーナ」(東京都江東区)新設が有力視されていることが24日、関係者への取材で分かった。東京都の調査チームが既存の「横浜アリーナ」(横浜市)を活用する代替案を示しているが、周辺に運営に必要なスペースが足りないことなどから、現段階では変更は困難とみられている。

 コスト削減を目的に東京都の小池百合子知事が進める見直しは、ボートとカヌー・スプリント、水泳を合わせた3会場とも、整備費を削減した上で変わらない可能性が出てきた。横浜案は依然選択肢に残っているもようで、小池知事の判断や今後の協議が注目される。29日開催予定の国際オリンピック委員会(IOC)、大会組織委員会、都、政府による4者のトップ級会合へ、調整は大詰めを迎えた。

 日本バレーボール協会は24日、有明アリーナ建設を求めている国際バレーボール連盟会長から全権を委任された事務局のアゼベド氏らが来日し、25日に小池知事や組織委を表敬訪問すると発表。会場問題も議論する可能性がある。

 関係者によると、今月上旬に行われた4者による作業部会では、IOCがコスト削減につながる可能性がある横浜案の可能性について検討すべきだとの見解を示した。ただ、大会関係者は「IOC側も調査の結果、いろいろと問題点があることは分かっていると思う」と述べた。

 ボート、カヌー・スプリント会場の宮城県登米市「長沼ボート場」への変更案は24日、見送られる方向となり、事実上、現計画の「海の森水上競技場」(都内臨海部)に絞られた。水泳は「五輪水泳センター」(江東区)を新設することになっている。