世界のエア・ケイが、元世界王者に完敗だ。今年で6回目を迎えるテニスの東日本大震災チャリティー・イベント「ドリームテニスARIAKE」が26日、都内で行われ、提唱者である世界5位の錦織圭(26=日清食品)とともに、元世界王者のロディック(米国)、大坂なおみ(19=日清食品)、チャン・コーチらが参加し、超満員となった約1万人のファンを楽しませた。

 錦織は、ロディックとの8ゲーム先取のシングルスで、3-8で敗れた。「こんなに休んでいて衰えないのはすごい」。特に武器のサーブは「スピードも(現役の時と)ほとんど変わらない。なかなかリターンできなかった」。

 錦織とロディックには因縁がある。錦織が、08年デルレービーチ国際でツアー初優勝。その次戦で対戦した初のトップ10選手がロディックだった。当時、世界6位だったロディックは、試合中に「俺をくぎ付けにしてみろ」と威嚇し、新星をつぶしにかかった。錦織はストレートで敗れたが、そのロディックの態度にショックを受け、シャワーを浴びながら泣いたという。

 あれから8年。「もうわだかまりはないか?」と、その時のことを問われると「何も思ってなかった」と、たくましく変身していた。