女子SPでジュニアの本田真凜(大阪・関大中)が4位につけた。

 約2週間前のジュニアGPファイナルをインフルエンザで棄権した15歳の本田が67・52点で今季のジュニア勢では最高位の4位に入り、初の表彰台に手をかけた。国際スケート連盟非公認大会ながら自己ベストをマーク。演技終了とともに手で涙を拭うと「すごく幸せな気持ちでいっぱいです」と素直な気持ちを明かした。

 冒頭のフリップ-トーループの連続3回転ジャンプを決めると、場内の拍手にも乗った。ノーミスの演技に観客は総立ち。終了直後の涙は笑顔へ変わり「すごくスケートが好きなんだなって、あらためて感じました」と喜びをかみしめた。

 昨季の世界ジュニア女王ながら、今季はもがき続けた。ジュニアGPファイナルで高熱に浮かされた。会場のフランス入りしながら直前で棄権。体重は2キロ減った。帰国初日にはリンク1周で息切れし、貧血で倒れたこともあった。それでも、全日本選手権を必死に目指した。

 幸せたっぷりの滑りは自身初の表彰台と、連覇を狙う世界ジュニア選手権の切符を近づけた。「幸せを感じながらフリーも滑りたい」。ジュニアのエースが苦境から立ち上がった。【松本航】