男子回転が行われ、マルセル・ヒルシャー(オーストリア)が合計タイム1分34秒75で快勝し、大回転との2冠を達成した。

 同一大会で技術系種目の2冠を達成するのは、1996年大会のアルベルト・トンバ(イタリア)以来、21年ぶりの快挙だった。

 1回目でトップに立った。最短距離を攻めるコース取りが光り、強く柔らかい足首で操るスキーはターンで膨らむことなく、鋭く次の旗門に向かった。2回目は序盤の緩斜面からスピードに乗り、急斜面に入ってさらに加速。中盤でややバランスを崩した場面はあったが、持ちこたえた。ゴールエリアでは、あおむけに倒れ込み「肩の荷が下りた。とてもいい気分だよ」と達成感に浸った。

 ワールドカップ(W杯)総合5連覇中と無敵の領域にいる。世界選手権の金メダルを通算4個とした今大会を「完璧な世界選手権だった」と誇らしげに振り返ったアルペン王国オーストリアのエースも、冬季五輪では前回ソチ大会の回転2位が最高で、金メダルはまだない。来年の平昌大会で完全王者となれるかに注目だ。