高校ラグビーの名門として知られる常翔啓光学園(大阪・枚方市)で19日、スポーツクライミングで使用する「常翔啓光クライミングウォール」のオープニングセレモニーが行われた。運動場の脇に高さ15・7メートルのウォール(壁)が完成。リード、スピード、ボルダリングの3種目が1つにまとまった施設は日本初で、リードとスピードは国際基準を満たしている。今後は大会などでも活用される見込みだ。

 20年東京五輪の正式種目となったスポーツクライミング界にとっても、貴重な施設の誕生だ。中学、高校の吉村仁志校長(62)は「2年前から建設の計画があり、五輪種目となったことで、タイムリーな施設を作ることができた。クライミングの普及に貢献できますし、本学園から近い将来、トップ選手を育成し、五輪選手を輩出することを夢見ています」と喜びのあいさつ。高さ4・8メートルのクライミング壁は体育の授業への活用を予定しており、競技の裾野拡大も期待される。

 セレモニーの後は枚方市の伏見隆市長(49)がジャケットを脱ぎ、ボルダリングに挑戦。汗だくになる市長を「ガンバ!」と現役部員がいつものかけ声で応援する和やかなひとときもあった。伏見市長は「難しい。1回挑戦しただけで、体力を使う」と苦笑い。現役部員へ「しんどいこともたくさんあると思うけれど、頑張ってください」とエールを送った。