柔道女子日本代表の福見友子コーチ(32)が、世界選手権(ブダペスト)での選手の活躍をたたえた。

 31日、ブダペストから成田空港に帰国。担当する軽量の48キロ級では渡名喜風南(22=帝京大)が優勝、近藤亜美(22=三井住友海上)が3位、52キロ級では志々目愛(23)が優勝、角田夏実(25=ともに了徳寺学園職)が準優勝と、全4選手がメダルを獲得した。福見氏は「本当に選手たちが頑張ってくれた。近藤選手以外は初出場で緊張するかと思いきや、全員が動じなかった。最高の4選手でした」と絶賛した。

 優勝した渡名喜と志々目は、ともに「代表2番手」で選出された。「世界の中では2人は実績と力もある。必ず、結果は残せると信じていたし、自信をもって送り出せる選手だった」。

 印象に残る試合の1つとして、志々目の準決勝のケルメンディ(コソボ)戦を挙げた。13、14年大会を連覇し、リオデジャネイロ五輪金メダルの“絶対女王”に対して、日本人選手は未勝利だった。入念に対策を練って、今大会に臨んだ。試合では志々目が、奥襟を狙う強力な組み手を封じ、9分30秒の激闘の末、勝利をもぎとった。「最後まで執念を感じて感動した。偉大な選手に『(志々目と角田の)2人がかりで倒しにかかる』と決めていて、最高の準備で臨めた」。準決勝前には「ここから勝負。絶対に隙もある。やってきたことを信じて、全部出し切ろう」と声をかけたという。

 世界選手権3回目の出場となった近藤については「経験者がチームを引っ張ってくれた。良い流れや空気を作ってくれて、(軽量級)チームとして練習から臨めた」と評した。日本勢は男女ともに3日連続のメダルラッシュが続いている。「現役時代を思い出し、選手と一緒に闘っている気持ちだった。軽量級は(日本勢の)先陣を切るという役目もあるので、結果を出せたのは良かった。私自身も精いっぱい頑張れました」と、安堵(あんど)した様子で語った。