アメリカンフットボールの反則問題で揺れる日大が6日、OBでコーチでもあった井ノ口忠男理事が辞任したと発表した。

 6日の理事会で4日付で辞任したとが報告された。日大が出資して学生支援事業などを行う株式会社日本大学事業部の事業企画部長も辞任した。広報部によると「軽率な行動により、大学の信用を傷つけた」と説明したという。

 同氏は日大ではLBで、1979年(昭54)度主将として大学日本一になっている。内田前監督が就任後にコーチングスタッフ入り。その後、日大にもかかわるようになり、10年には事業部を立ち上げ、昨年9月には理事に抜てきされ、幹部の1人となっていた。今季もコーチに名を連ねていたが、6月に入ってホームページから名前が消えていた。

 今回の問題を調査する日大第三者委員会は、6月29日に途中報告を発表した。内田監督らが反則を指示したと認定したが、日大関係者が選手に対して不当に介入し、2度にわたって口封じをしてもみ消そうとしたことも公表した。その関係者の1人と見られている。新監督の人選をめぐっても、公募以前に水面下で米国から呼び寄せようとしていたとも言われている。

 委員会ではこの関係者に対して「再建に向けて一切関わってはいけない。影響力ある立場にいてはいけない」と断じていた。また、関東学生連盟からも今季出場停止処分の解除条件として、「背後の権力者」という表現で懸念を示され、ワンマン体制に陥らない仕組み構築を求められていた。