水泳の第13回世界選手権は17日から8月2日まで、ローマで開かれる。競泳は昨年からさらに進化した高速水着の影響で、五輪翌年にもかかわらず記録が大きく伸びる可能性がある。北島康介(日本コカ・コーラ)が欠場する中、日本の新世代が2012年ロンドン五輪に向けた最初の大舞台に臨む。

 男子背泳ぎの入江陵介(近大)が新たなエースとして期待を一身に背負う。5月の日豪対抗の200メートルで出した1分52秒86は、着用水着が認可されずに世界記録に公認されなかったが、今季は1分54秒台を連発して安定感は抜群だ。4月の日本選手権から毎月試合に出場しており、調整に不安もある。今月100メートルと200メートルで世界新を出したアーロン・ピアソル(米国)、北京五輪の200メートル覇者ライアン・ロクテ(同)と高いレベルの勝負に挑む。

 北京五輪男子200メートルバタフライ銅メダルの松田丈志(レオパレス21)、同平泳ぎの立石諒(キッツウェルネス藤沢)、女子200メートル平泳ぎの金藤理絵(東海大)らも表彰台をうかがう。

 海外勢では北京五輪8冠のマイケル・フェルプス(米国)が個人では200メートル自由形とバタフライの2種目に出場。男子自由形のアラン・ベルナール(フランス)、朴泰桓(韓国)らも注目。英スピード社のレーザー・レーサーとアリーナ、デサントなどのラバー水着の“対決”も見どころだ。

 シンクロナイズドスイミングは乾友紀子(井村シンクロク)ら日本代表全員が五輪未経験の若手となり、苦戦は必至。ロシアとスペインが一段上で、3位以下を中国、米国などと争う。飛び込みは中川真依(金沢学院大)が上位をうかがう。