スピードスケート・ショートトラックで5大会連続の冬季五輪出場を目指す34歳の寺尾悟(トヨタ自動車)が、5日に山梨県小瀬スポーツ公園アイスアリーナで始まる全日本距離別選手権で左足首骨折からの復活をアピールできるか。「けがしたままで、やめられない」というベテランの、集大成のシーズンがいよいよ開幕する。

 昨年12月の全日本選手権で12度目の総合優勝を果たして以来の実戦で「試合感覚が全然ない」という。来年2月のバンクーバー五輪の国別出場枠獲得が懸かるW杯の代表選考会になるだけに「代表を逃すと五輪まで国際大会がない。負けたくない」と、得意の500メートルを中心に何としてでもW杯切符を手にするつもりだ。

 2月のW杯ソフィア大会前の練習で骨折し、帰国直後に手術した。プールでの歩行訓練など地道なリハビリを経て、4月に氷上練習を再開した。夏場の米ソルトレークシティー合宿では、スピードを取り戻すために滑り込んだ。

 本人は「急ピッチで仕上げた。まだ70パーセントくらい」と控えめだが、柏原幹史強化部長は「あの大けがから想像以上の回復。スピードはほぼベストに戻ってきた」と期待を寄せた。(共同)