<競泳:欧州GPカネ大会>◇最終日◇13日◇フランス・カネ

 北島康介(日本コカ・コーラ)にとって昨年11月に復帰後、最も課題の種目だった。1年以上の休養が影響し、体力と技術が十分戻らずに好結果が出なかった200メートル平泳ぎ。北島は地中海の旅の最後に会心の泳ぎを見せ、復帰後の自己ベストをマーク。「満足です。力を出し切って終われた」と言い切った。

 重圧もなく、強敵も参加していないカネ大会。前半から飛ばす本来のスタイルではなく、余力を残して最後にスパートする展開を試した。その結果、ラスト50メートルをバルセロナ大会より速い33秒台で泳ぎ、今季世界5位のタイムでゴールした。

 4月の日本選手権では2分12秒53で4位と惨敗した。しかし、その後レースを重ねるたびに、自らの泳ぎと対話しながら記録を伸ばしている。「スッキリした気持ちで次のトレーニングに向かえる」。27歳の金メダリストにとって、足掛かりをつかんだ遠征が終わった。