冬季パラリンピックで日本最多の通算10個のメダルを獲得したアルペンスキー女子座位の大日方邦子(38)=電通PR=が2日、東京都内で記者会見し、2014年ソチ大会を目指さず日本代表からは引退すると表明した。後進の若手女子選手を育成するため、今後も国内大会には出場する。

 大日方は代表引退について「(選手を取り巻く環境の改善などの)課題の解決と時間や体力をつぎ込む競技生活の両立は難しい」と理由を挙げた。3月のバンクーバー大会で負ったけがの後遺症で手にしびれもあるそうで「トップアスリートとして大きな壁となる」と話した。

 大日方は冬季パラリンピックに1994年リレハンメル大会から5大会連続出場。98年長野大会滑降と2006年トリノ大会大回転で金メダルも獲得して「パラリンピックと過ごせたのは自分にとって宝物」と話した。