文部科学省は30日、2014年度予算の概算要求を発表し、20年夏季五輪の東京開催を前提に、国立競技場の改築費などスポーツ関係で13年度予算から倍増の490億円を要望した。開催都市を選ぶ9月7日からの国際オリンピック委員会(IOC)総会を前に、下村博文文科相は「国を挙げた準備態勢をアピールしたい」と説明した。

 同五輪で主力になる「16~20歳の年代」をターゲットにした選手強化に15億円を充て、国別金メダル数で3~5位の数値目標を設定。金メダル25~30個、総メダル数70~80個を目指し、文科省幹部は「集中力とバランスが要求される射撃やカヌーなど日本人の潜在能力が生かされる競技を育成したい」と語った。

 7月にIOCの開催計画説明会で麻生太郎副総理が構想を打ち出した国際貢献事業「スポーツ・フォー・トゥモロー」には12億円を盛り込んだ。国際協力機構(JICA)とも連携し、指導者の交流などで発展途上国の環境整備に協力する。ハードでなく、ソフトでの貢献を示す狙いだ。

 「五輪スタジアム」に予定される国立競技場の改築費は実施設計などで232億円を要求し、来年7月から解体工事に入る。五輪などでメダル獲得が有望な競技を重点的に支援する「マルチサポート戦略事業」は、対象にパラリンピックも加え、29億円を計上した。