2020年五輪招致で東京と接戦を演じるとみられたマドリードの完敗について、国際オリンピック委員会(IOC)総会でのプレゼンテーションの冒頭でスピーチをしたスペインのサマランチ・ジュニアIOC理事の態度が不適切だったのが一因との見方を、多くの関係者が8日示した。

 同理事はイスタンブールと東京を「素晴らしいライバルだった」とたたえる一方で、最後に「(次の)24年五輪招致での幸運を祈る」と述べた。「20年大会は既にわれわれのものだ。あなた方は4年後にもう一度頑張れ」と聞こえた。

 アジアのある理事は「本人は軽い冗談のつもりだったのだろうが、あれでマドリードは2、3票は失った」と分析した。イスタンブールの英国人顧問は「スペイン人独特のユーモアなのだろうか。嫌みと受け取られても仕方ない」と指摘した。

 マドリードについては「ジュニア氏が父親の故サマランチ前IOC会長の写真を(背後のスクリーンに)映し出して演説したのは失敗だった」との批判も出ている。

 東京が42票を獲得した1回目の投票でマドリードは26票にとどまり、並んだイスタンブールとの投票に敗れて決選投票に進めなかった。