<W杯スピードスケート:コロムナ大会>◇初日◇24日◇ロシア

 男子500メートルで長島圭一郎(26=日本電産サンキョー)が34秒85で優勝し、今季3勝目を挙げた。総合2位となった先週の世界スプリント選手権での好調を持続し、宮部保範と並び日本人歴代3位タイとなる通算7勝目とした。及川佑(びっくりドンキー)は34秒96の好タイムで2年ぶりの表彰台となる3位に入った。長島は1000メートルでも1分9秒40で日本勢トップの4位となった。

 慎重な言動とは裏腹に、この日も長島は強かった。「今週は1000メートルに集中する」と話していたが、500メートル最終組で登場すると、スタートのピストル音に肉体が自然と反応する。今季W杯のポイントランクで500メートル総合1位の于鳳桐(中国)と競り合いながら、ゴールを駆け抜けた。于鳳桐をわずか0秒04差に抑えて34秒85。今季自己2位となるタイムを目にして、拳を突き上げた。

 勢いが止まらない。1週間前の世界スプリント選手権で日本人男子8年ぶりの表彰台となる2位。「先週にピークを合わせていたので調子はよくない」と言うが、注目を浴びた後の初戦で再び強さを見せつけた。通算勝利数でも並んでいたライバルの加藤条治を抜いて通算7勝目。宮部と並び歴代3位タイとなった。

 レース前は1000メートルの方が頭の中で比重が大きかった。3月の世界距離別選手権の出場権獲得へ「1分8秒台を1回でも出せば大丈夫だと思う」と青写真を描いていた。それでも500メートルで勝ち、1000メートルも目標タイムには届かなかったが、1分9秒40で4位と表彰台にあと1歩だった。

 世界スプリントに続き、ロシアでの滞在は2週間目だが相性はいい。出発前から「米国と中国はご飯がおいしくなくてジャンクフードばかり。でもロシアは大丈夫」と口にした。リンクも食事も感覚の合う地での快進撃で于鳳桐とのポイント差は39点。「総合優勝は狙っている」。プレ五輪シーズンの最後まで長島強しを世界に見せつける。