04年アテネ五輪柔道男子90キロ級銀メダリストで総合格闘家の泉浩(28=プレシオス)が、レスリングのグレコローマンスタイルで12年ロンドン五輪出場を目指す意向を表明した。17日、都内の味の素NTCで行われたSRC夏合宿に参加し「レスリングはプロとアマが行き来できる。グレコでやりたい。五輪をマジで狙う」と宣言。まず来秋の社会人オープン選手権を制し、同年の全日本選手権出場を狙う姿勢を示した。

 昨年9月に総合格闘家デビューし、レスリング技術を学ぶうちに再び五輪の思いが膨らんできた。総合格闘技と並行してレスリング技術の強化に取り組むことになるが、「レスリング技術の向上は絶対、総合に生きるし、五輪を頭に入れてやる。夏季に2競技目で出場するのも珍しいですしね」と意欲満々。グレコローマン96キロ級での出場が濃厚だ。

 泉が主戦場とするSRCは日本格闘技連盟の傘下で、同連盟の会長は日本レスリング協会の福田富昭会長が兼任する。SRC向井社長は「泉選手は柔道という一競技を極めた男。こちらからレスリング協会に依頼し、強化合宿にも参加したらいい。強い選手が多いだろうし、良い試み」と全面バックアップする考えだ。

 レスリング五輪代表の選考方法は通常、五輪前年の全日本選手権覇者が代表枠をつかむケースが多い。泉は「レスリングの代表選考は一発勝負だと聞いている。だから勢いが大事。ポンポンと(五輪まで)いきたい」と本気モードを貫いていた。【藤中栄二】