<テニス:全豪オープン>◇3日目◇19日◇オーストラリア、メルボルン・ナショナルテニスセンター◇男子シングルス2回戦

 世界82位の錦織圭(21=ソニー)が、全豪の日本男子として1965年石黒修以来46年ぶりの3回戦進出を果たした。

 65年に3回戦進出を果たした石黒修さん(74)はこの日、テレビで錦織の試合を観戦。「その中で、僕以来のことと知った。松岡修造とかが、3回戦までいったと思っていたから、ちょっと驚いた」と言う。

 石黒さんが出た当時は、4大大会も全仏以外は芝のコートだった。65年は全豪の2週前にシドニー近郊で行われた芝のコートの前哨戦で優勝し、勢いに乗って乗り込んだ。ただ「今のような高額賞金やポイントシステムはなく、ウィンブルドンに比べ全豪は欧州のトップ級は多くはなかった」と振り返る。選手層の厚さでは、現在の方が2回戦突破の難度は高いといえる。

 錦織の成長について、石黒さんはサーブの向上を挙げる。「特に第2サーブの深さが出るようになって、レシーブで先手を取られることが少なくなった」。もともとテニスの才能は「歴代の日本男子でトップ級」と認めており、唯一の課題にフィジカル面を指摘。この日、第3セットで“体力温存”したことを「そういう試合運びが、できるようになったんだ」と感心すると同時に、「もっと上を狙うにはさらにフィジカルの精進が必要」と話した。

 3回戦の相手ベルダスコは強敵だが、「錦織くんは(08年全米で)フェレール(当時世界4位)を破ったこともある。チャンスはある」と期待していた。