強豪カナダに勝機が見えた!

 男子テニスの国別対抗戦デビスカップ世界グループ1回戦、日本-カナダは31日に東京・有明コロシアムで開幕する。27日、世界18位の錦織圭(24=日清食品)ら日本代表3人と植田実監督は、東京・葛飾区の柴又帝釈天に必勝祈願を行った。

 昨年9月の世界グループ入れ替え戦でも同所に必勝祈願を行い、2年ぶりの世界最高峰リーグ入りを決めた。植田監督は「また御利益にあやかりたい」。柴又帝釈天には「災難を退治し、悪魔を除き退散させる」という言い伝えがあり“カナダ退散”をお願いした。

 祈願だけではない。地元開催だけに、万全の態勢で昨年4強のカナダを迎え撃つ。6日から1週間をかけ、有明コロシアムのコートを新しく塗り替えた。表面をざらつく形にし、バウンドしてからの球足を遅くした。費用約200万円ほどは、管理運営をする東京港埠頭社が、日本のためならと喜んで負担した。

 カナダ選手の特徴は、190センチ以上の長身からたたき込む爆弾サーブが武器。対して錦織を筆頭とする日本選手は、ストロークで組み立てる形を得意とする。球足が遅くなれば、サーブの威力は殺され、じっくりとストローク戦に挑める。

 錦織も「全豪より遅いぐらいで、しっかりラリーができる」と、改良に満足げだ。「まずは自分が2勝するのが最低限の仕事」とエースの自覚も十分。帝釈天の神と、改良なったコートとともに、最高の支援を受け、錦織が日本を初の世界グループ1勝に導く。【吉松忠弘】